台湾での給料について、現地の事情を含めて詳しく調べてみましたのでご紹介します。
前回は台湾での日本人にスポットを当てて、現地での法令で決められている給料について紹介しました。(下記記事をご覧ください)

日本では給料が上がるかどうかは会社と労働組合の労使交渉が大きな影響を及ぼして決定される側面が強いですね。
それでは、台湾では給料はどのように決まるのか?あるいは、どのように賃上げがされるのか?
ズバリ結論から言うと、政府が決定して法令を公布し施行することで、一部の会社員や労働者の給料は賃上げされます。
注目ポイント
- 台湾の給料はどのように推移してきたのか?
- 台湾の給料の最低賃金はいくらなのか?
- 台湾での月収の下限はいくらなのか?
- 台湾での年収の下限はいくらなのか?
- 台湾でのアルバイトの時給はいくらなのか?
- 台湾現地の時給についての事情はどんな感じなのか?
上記のような疑問を洗い出して、台湾現地の法令をもとに詳しく紹介します。
台湾の最低給料の推移
西暦 | 月給 | 日給 | 時給 |
---|---|---|---|
1956月 | 300元 | ||
1964月 | 450元 | ||
1968月 | 600元 | 20元 | |
1978月 | 2,400元 | 80元 | |
1980月 | 3,300元 | 110元 | |
1983月 | 5,700元 | 190元 | |
1984月 | 6,150元 | 205元 | |
1986月 | 6,900元 | 230元 | |
1988月 | 8,130元 | 271元 | |
1989月 | 8,820元 | 294元 | |
1990月 | 9,750元 | 325元 | |
1991月 | 11,040元 | 368元 | |
1992月 | 12,365元 | 412元 | 51.5元 |
1993月 | 13,350元 | 445元 | 55.5元 |
1994月 | 14,010元 | 467元 | 58.5元 |
1995月 | 14,880元 | 496元 | 62元 |
1996月 | 15,360元 | 512元 | 64元 |
1997月 | 15,840元 | 528元 | 66元 |
2007月 | 17,280元 | 95元 | |
2011月 | 17,880元 | 98元 | |
2012月 | 18,780元 | 103元 | |
2013月 | 19,047元 | 109元 | |
2014月 | 19,273元 | 115元 | |
2015月 | 20,008元 | 120元 | |
2016月 | 126元 | ||
2017月 | 21,009元 | 133元 | |
2018月 | 22,000元 | 140元 | |
2019月 | 23,100元 | 150元 |
(引用元:中華民国労働部)
上記のように、2011年以降は、毎年、給料水準が月給ベースあるいは時給ベースで改定され賃上げされてきました。
2011年を基準に計算すると、8年間で月給では129%の上昇、時給では153%の上昇だということになっています。
- 月給ベース:17,880元→23,100元(129%の上昇率)
- 時給ベース:98元→150元(153%の上昇率)
特に、アルバイトなどに適用される時給は、ここ数年で急上昇してきたということがよく分かりますね。
台湾の年収はいくら?
上記の給料水準(2019年)で台湾での年収の最低金額を計算してみるといくらになるのか?
23,100台湾ドル×12ヶ月=277,200台湾ドル
台湾の最低年収は、277,200台湾ドル+賞与
賞与を1.5か月分とすると、いくらになるか?
台湾の最低年収(賞与含む)は、311,850台湾ドル
日本円に換算すると、いくらになるか?
台湾の最低年収を日本円に換算すると、112万円
(為替レート:3.6円/台湾ドル)
上記の金額はあくまで法令で規定された最低月給を基準に計算した金額です。
敢えて言えば、高卒の初任給に相当する年収の目安となるでしょう。
台湾の月収はいくら?
台湾のアルバイトの月収はいくらなのか?
台湾ではアルバイトの募集がいたるところでされています。
台湾でアルバイト募集の案内をよく見る店舗はコンビニやファストフード店です。
そして、そのような単純労働の仕事の場合の時給は決まって上記の最低時給が適用されます。
それでは、法令で決められている最低時給でのアルバイトの月収はいくらになるのかを計算して見ましょう。
計算の前提として、8時間/日の労働で一ヶ月は20日間の出勤とします。
150台湾ドル×8時間×20日=24,000台湾ドル
台湾のアルバイトの最低月収は、24,000台湾ドル
日本円に換算すると、いくらになるか?
台湾のアルバイトの最低月収は、86,400円
(為替レート:3.6円/台湾ドル)
上記は法令で規定されている最低時給をベースに計算しています。
そのため、実際には、単純労働ではない仕事の場合はもう少し高くなることもあります。
上記の計算から求められた金額は、例えば、夏休みなどの学生のアルバイトの目安やフリーターの一ヶ月間の月収の目安となるものです。
まとめ
以上、台湾での給料に関する現地事情と法令で規定されている最低時給や最低月給を基準に月収や年収について詳しく計算して紹介しました。
日本の給料や時給と比べると、安すぎると思われるかもしれませんが、日本と台湾では物価も違いますので、一概に給料が安いあるいは高いとは言い切れないでしょう。
そうは言っても、数年前までは、時給が現在の2/3相当でしたので、アルバイトの場合は月収6万円以下で、年収では90万円以下と概算されます。それと比べると、現在の台湾の給料は随分と高くなったとも言えます。
一方、経営者側からすると、毎年、法律で賃上げされるため、経営を圧迫する要因にもなります。そのため、物やサービスの価格に転嫁され、知らず知らずの間に物価がジワジワッと上がっていることを実感することも多くなりました。
最後に、台湾の最低給料水準についてのポイントをまとめておきます。
記事のポイント
- 台湾の給料の下限額は法令で規定されている
- 台湾の月給の最低賃金は23,100台湾ドル(2019年時点)
- 台湾の時給の最低賃金は150台湾ドル(2019年時点)
- 台湾の年収の最低額は112万円(為替:3.6円/台湾ドル)
- 台湾の月収の最低額は86,400円(為替:3.6円/台湾ドル)
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