台湾の物価についての調査の一つとして、ガソリンを現地で調べてみました。
台湾はバイクの交通量が多く、自動車の所有率も多いため、さぞかしガソリンが安いのだろう。本当に?
ココに注目
- 台湾のガソリンと日本のモノは違うの?
- 台湾のガソリンの値段は高いの?安いの?
- 台湾のガソリンは物価上昇で高くなっているの?
台湾で暮らしてみたい方、あるいは台湾で暮らす予定の方の中には、上記のような疑問を持っている方もいることでしょう。
台湾で数え切れいないくらいガソリンスタンドを利用してきた私が台湾現地の状況を踏まえて、台湾のガソリンについて詳しく解説します。
台湾と日本のガソリンの違いを解説
台湾のガソリンの油種
台湾のガソリンスタンドを見て、まず初めに誰もが気が付くことは…
98 95 92 超柴
この4つの文字です。
これらの数字と漢字は、どんな意味なのか?
石油の種類だということは分かりますね。
それ以上の意味が分からないのです。
台湾人に聞いても、詳しく説明できる人は多くないのです。
唯一、台湾人に聞いて、直ぐに理解できたことは、超柴が軽油だということだけ。
それでは、98と95と92の違いは何なのか?
ガソリンスタンドの看板を見て分かることは、ガソリンの中では、98気油が最も値段が高く、92気油が最も値段が安いということ。
ガソリンの油種とオクタン価
それでは、その数字の深層に迫るため、いろいろ調べてみました。
台湾中油HPによると「辛烷値」が違うと言うこと。辛烷値(Octane)とは日本語ではオクタン価となります。
それでは、オクタン価とは何を示すものなのか?
オクタン価とはガソリンの燃焼特性を表す尺度で,ノッキングを起こしにくいイソオクタンを100, ノッキングし易いノルマルヘプタンを0と定め,その中間の値はこれらの混合物により,イソオクタンの%で表す。
(引用元:公益財団法人石油学会)
日本のガソリンの油種
ハイオクガソリンとレギュラーガソリンの違いは何なのか?
このような疑問を持つ方もいることでしょう。そこで、調べてみました。
ハイオクガソリンはレギュラーガソリンに比べてオクタン価が高く、ノッキングというエンジン内部の異常燃焼を抑える効果の高いガソリンです。
JIS規格では、ハイオクガソリンのオクタン価は96.0以上、レギュラーガソリンのオクタン価は89.0以上と規定されています。尚、ハイオクガソリンは各社、性能に様々な特徴があります。(引用元:昭和シェル石油)
つまり、ガソリンとオクタン価の関係は、下記のようにまとめられます。
- ハイオクガソリン : オクタン価96.0以上
- レギュラーガソリン: オクタン価89.0以上
上記は規定に過ぎず、実際に販売されている各ガソリンは、もう少しオクタン価が高いものが販売されているとされています。
そのため、台湾と日本のガソリンの比較をしやすいように、下記のように話を進めていきます。
- 98気油: ハイオクガソリン
- 95気油: ‐
- 92気油: レギュラーガソリン
台湾のガソリンは98気油、95気油、92気油の3種類の油種がありますが、下記のように使い分けています。
- 98気油: 高級車、新車
- 95気油: 一般的な乗用車
- 92気油: 古い車、トラック、ミニバイク
台湾のガソリン価格
台湾のガソリン価格は安い…、そんなことを聞いたことがあるでしょうか?
それでは、実際に台湾のガソリンの店頭価格を実例を挙げて、為替レートで日本円に換算して、日本のガソリン価格と比較してみましょう。
台湾と日本のガソリンの価格比較
2018年6月 | 台湾 元/L | 台湾 円/L | 日本 円/L |
---|---|---|---|
98気油 | 32.4 | 117 | 160 |
95気油 | 30.4 | 110 | ‐ |
92気油 | 28.9 | 104 | 150 |
超柴 | 27.0 | 97 | 127 |
(引用元: 好生活、ゴーゴーラボ、2018年7月時点、為替レート: 3.6円/元)
上表の通り、台湾と日本のガソリンを比較すると、ハイオクガソリンとレギュラーガソリンともに、45円程度の価格差があり、台湾の方が店頭価格は安い実態が分かります。
実際には、上記ガソリン価格の中には諸税が含まれているため、ガソリン本体の価格では比較はしていませんが、消費者の視線から見ると、上記のような状況にあります。
台湾の物価とガソリン価格
一般的に、台湾の物価は年々上昇しているというのが実状です。
その中でガソリン価格はどのような変動を見せているのでしょうか?
98気油のガソリン価格の推移
(引用元: clubtaiwan.net様承認で「台湾のガソリンの値段」より転載)
92気油のガソリン価格の推移
(引用元: clubtaiwan.net様承認で「台湾のガソリンの値段」より転載)
上表の通り、台湾のガソリン価格は過去10年くらいは激しく変動しているのが分かります。
例えば、98気油は2014年頃までは38元/Lと高値圏であったのが、その後、急落して22元/Lまで下がりました。
同様に、92気油でも、2014年頃までは34元/Lと高値圏であったのが、その後、急落して18元/L程度まで下がったことがあります。
このように、台湾でもガソリンの原料となる原油を海外から輸入に頼り、調達しているため、海外市況を直接受け、外部環境に大きく影響を受けることになります。
このことより、台湾のガソリン価格は物価の上昇に影響を受けるのではなく、むしろ海外の原油市況を反映しやすい状況にあると思われます。
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